その後、今まで美しい音色を発していた球形の楽器を自分たちでこれから作るのだと知り、みんなの期待は一気に膨らんだ。そして宇々地氏が土笛の作り方を説明しながら、作りかけの笛をいきなり吹くと美しい音色を奏でた。子供たちは、粘土のままでも音が出るその事実に本当に仰天したらしく、一斉に歓声を上げた。宇々地氏は子供たちに粘土を配り、一人一人に作り方を丁寧に教え始めた。なぜかスタッフや先生たち、アメリカ人講師たちまでもいつの間にか、夢中になって土笛作りに参加していた。
いくつか用意した見本の土笛を参考に皆は銘々の大きさ、そしてユニークな形の土の球体を一生懸命に作り始めた。紐で縄文の模様をつけたり、模様を書き込んだり、装飾を加えたり、それぞれ個性豊かな土笛が出来上がり、子供たちは吹き始めた。 |
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